ヒマラヤタール

偶蹄目 ウシ科 ヤギ亜科 タール属 ヒマラヤタール(Hemitragus jemlahicus

ヒマラヤタール(冬毛のオス)
ヒマラヤタール(メス)
ヒマラヤタール(生後半年の仔)

ヒマラヤタールのイラスト。
名前の通り、東アジアから南アジアまでの5か国にまたがる山岳地帯「ヒマラヤ山脈」に生息するヤギに近い動物。
山登りや崖のぼりが得意で、約80度に傾いた斜面(ほぼ断崖絶壁)でも走り抜けることができる。
夜になればそのまま崖の上で眠る。幅20㎝あるかないかくらいの場所でも眠るので、脚がほとんどはみ出していることもある。
こうした習性は天敵のユキヒョウから身を守るためとも言われている。
また、高度の低い平地ではなくこうした高所に生息するのは、そうした天敵から身を守るほかに食べ物の競合(平地には餌となる草が多いが、その分餌を奪い合う競争相手の動物も多くなる)を避けた結果、植物が比較的少なめでもライバルの少ない場所を求めたからとする説もある。
基本的に高所のほうが安心する動物なので、飼育下でも岩組の上など高いところへ行こうとする傾向がある。

普段生息している場所は標高2000~4000m以上の山の上なため、非常に気温が低い。
そのため寒さにも強い。
季節によって換毛があり、夏は雌雄差があまり目立たない(もちろんオスのほうが体格がでかく、やや首回りの毛が目立つ)が、冬になるとオスは胴がこげ茶色になり、首周りに白っぽく美しい鬣を生やした冬毛となる。
メスの冬毛は夏毛より被毛が厚くなる程度である。
なお、秋から冬(10~1月くらい)が繁殖期であり、オスの冬毛はその際のアピールとして役立つほか、闘争の際には鬣を逆立てて相手に自分をより大きく見せる効果もある。

闘争の際には角をぶつけ合うほか、相手の腹の下に頭を潜り込ませ突き上げることも多い。
この時先端で相手を物理的に傷つけることもあるが、角が後ろ向きに湾曲しているため、必ずしも致命傷に至ることはあまりない。
彼らにとって角は攻撃手段でもあるが、それよりも戦う以前に角の立派さを見せて威嚇することで相手の戦意をそぎ、無駄な争いを避けようとする意味のほうが強いのではないかという説もある。
なお、闘争するのはオスだけではない。
メスにも立派な角があり、メス同士や弱いオスに対しても闘争が起きることがある。

ヒマラヤタールの出産は交尾から6~8か月後、つまり5月から8月の初夏~夏にかけて行われる。
出産・子育てもすべて崖の上で行われ、生まれた仔は生後すぐ立ち上がり、半日もすれば母親とともに崖の上をあちこち歩きまわるようになる。
生まれたときの体重は2kg 程だが、生後1~2カ月には角も生え始め、その頃には草も食むようになる。
また、群れの中で同時期に生まれた仔で集まり、そこに仔を世話するメスが付くなど、さながら幼稚園のような様子をみせることもある。
母親の姿が見えなくなるとメーメーと鳴いて探し回る姿は可愛らしいが、生後半年にもなればある程度自立する。
その後約2~4年ほどで生成熟し、子孫を残すようになる。その頃にはメスは体重30~40㎏程度、オスは体重60~70㎏程度になる。

野生下では貴重な原生植物を食害して影響が出ている一方、開発による生息地の減少や家畜との競合などによって数が減りつつある動物でもある。

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